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みよしの作文

ぎょうざとカレーをセットにして売り出すチェーン店は世界寛といえど
ここ、みよしのだけであろう

今日も無性にみよしのセットが食いたくなり
中華インド料理をオーダーする、辛口だ
それにしてもうまい、カレーがうまいのは当たり前だが
みよしののカレーは複雑な辛さに神秘的な香味と遺伝子に組み込まれた
なつかしさの味がする
「 うまいなあ… 」カウンターでぼそりとつぶやいた
「 そうですか、ありがとうございます 」バイトのダイナマイト関西似の女の子が
返事をしてくれた
「 うん、うまいよ。 アヤシイ成分でも入ってるんじゃないかってくらいうまい 」
俺は少ない語彙のなかからうまいカレーを褒める単語をひっぱってくる
「 これは、バング(乾燥大麻を樹脂にしたもの、違法)かMM(マジックマッシュルーム、
  違法)が入ってるのかな? うまい 」アホ顔を上気させて犬の様にカレーにがぶりつく
彼女はスプラッシュマウンテンに入るダイナマイト関西のような顔をしていたが気にしなかった


プラッチック皿を舐めるように完食して顔を上げると責任者らしいスーツの男が会計に立っていた
「 今日はお会計は結構です… いえ、実は最近シンテンポを立ち上げたのですが、みよしの
の常連さまをご招待してパーティーを開くことになりまして、ええ、ぜひいらしてください 」
サンロクの住所が書いてあるカードを渡された
ヒマだったのでそこに行ってみると、スーパー銭湯の休憩室の様にリクライニングチェアが並んでいて
「 よしのみの提供するサービスは“睡眠”です、極上のリラックスをお楽しみください 」
と椅子に書いてあったので座ることにした、眠りはすぐにやってきた


俺は沖縄の離島をつなぐフェリーのデッキにいた
気温は熱くも寒くもなく、風もフェリーのスピードより吹いていない
天気は曇りだけど薄い曇りでとても明るかった、午後1時くらいだろうか

「 海ブドウが見えますよ 」声がした方を振り向く、アロハシャツの老人が立っていた
「 海ブドウ? 」「 ええ、ご存知ないですか? ほら、海面を見てごらんなさい 」
明るい緑と青とその中間の色をゆらめかす海を見てみる、波間に紫色の海草らしきものが見えた
「 あれが海ブドウですか? 」俺が聞くと老人は悲しそうな顔をして答えた

「 ええ、そうです。 海ブドウはカレーに入れると大変においしいと言われています。
  が、問題があった 」
俺は勝手にしゃべる老人をジッと見ていた、なにか大事な事が告白されている、そう感じたのだ
「 ごくまれに、ごくごくまれに発生するヒトフサに人間の心を攻撃するものが含まれるのです。
  その成分は鎮静剤に似ていて人を植物人間にしてしまう毒性があった 」
…!? つめたい汗が額をつたわる、俺はキューンと視界が狭くなって立っているだけで精一杯だった
「 海ブドウには気をつけなさい 」
俺は混乱しそうになっていたが、海風に混じる匂いの中にさっきのカレーの匂いを感じた
海ブドウには気をつけなさい

あのカレーの秘密はこんなことだったのか

「 僕は…もう、もどれないんでしょうか? 」
「 フフ…まあこの船の生活も悪くないですよ、船内にはすべての娯楽が整い、仲間は100人を越えています
  ただ、どうしても戻りたいというのなら船首をごらんなさい」
船首には見覚えのある人がいた
「 彼女に海に投げてもらうのです 」
フェリーの船首だ、冗談じゃない高さだ
「 チャンスは一度、今ここだけですぞ 」
勇気をだそう、船首に歩き出す
「 海ブドウに気をつけて 」
ダイナマイト関西に似た彼女に抱え込んでもらい海に落としてもらった


…きがつくとみよしののカウンターに突っ伏して寝ていた
ダイナマイト関西が心配そうにこっちを見ている
俺は470円払って外に出た、前髪についたカレーから海ブドウの匂いがした
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